ADBは「Made in Mon」の手工芸品のブランド化を通じて、ミャンマー南東部の女性や恵まれない人々の雇用機会を創出しています。ADBの貧困削減日本基金(JFPR)による無償資金協力は、手工芸品の生産・加工設備の改修、デザインや製造販売に関する助言、小口融資の活用促進を行う取組みを支援しています。
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ミャンマー。大いなる可能性を秘め、人々は若く活力に満ちあふれ、天然資源に富み、貿易や投資に適した要衝に位置する国。
多くの人々は、農村部で生活しています。しかし、限られた雇用機会、不十分なインフラや市場へのアクセス、乏しい小口融資により、生活には多くの制約が伴います 。
清潔な水の確保さえ課題となっています。
チー・チー・カインさん(ガプトー郡サッコン村):
「フェンスが立てられる前は池の水は安全ではありませんでした。
動物がここにきて排泄するので飲み水が不衛生で、子供たちは、よく下痢にかかっていました。」
ADBはこれらに対応すべく「貧困削減日本基金(JFPR)」の無償資金協力を通じ,「農村部の生計及び所得水準改善プロジェクト(ERLIP)」の実施のために, ミャンマー農村開発省を支援しています。
このプロジェクトは、地域社会が主体となり生産性や生計を改善することを目的としています。シャン、エーヤワディ、タニンダーリーでは、8万7千以上の世帯が支援を受けています。
プロジェクトはすべての段階において、独自の手法で住民が主体的に企画・参加する共同社会を支援しています。
チー・チー・カインさん(ガプトー郡サッコン村):
「村民全員が水とインフラを使用するので、私たちもそれらの整備を支援すべきだと自覚しています。
地域社会が一体となり、プロジェクトに協力することは難しいことではありませんでした。」
プロジェクトは、私たち全員の生活の改善に繋がるからです。
地域社会の人々自らが優先的に対応すべきニーズを特定し、プロジェクトの企画や資金管理を行います。そして、計画を実施し、モニタリングを通じて地域社会への効果を評価します。
清潔な水を確保するためのインフラ開発や、道路、桟橋、公民館の建設に資金が提供されています。
テイン・ゾーさん (ガプトー郡ヨンチャウン村の村民委員会リーダー):
「近隣の村への往来を容易にするために、この道路を建設しました。今では、この道路が二つの村とボート用の桟橋を繋いでいます。
季節を問わず商品を売買でき、他のビジネスチャンスを得ることも容易になるため、このコンクリート舗装の道路建設を優先的に選択しました。」
プロジェクトは、畜産業、農業、そして漁業の活性化も促進しています。
ザー・ザー・モーさん (ガプトー郡パマワディ村の鮮魚仲買人):
「全ての収入を子供の教育や、健康管理のために使用しているので、暮らし向きは本当に良くなりました。」
女性や恵まれない人たちも自らのニーズを伝え、地域社会の優先課題に意見を反映することが奨励されます。
女性や恵まれない人たちも、これまで主に男性が担ってきたリーダーの役割を担います。
サン・ルイン・ウーさん (ガプトー郡ヨンチャウン村):
「このプロジェクトが始まると、政府やプロジェクト関係者から女性の参加が奨励され
様々な変化がありました。
プロジェクトの進行や地域社会の活動に、私たちの意見を反映するための、平等の機会が与えられました。」
ADBは「貧困削減日本基金(JFPR)」と共に、インフラや地域社会の発展を通じた
貧困削減による生活水準の向上を目指しています。
これは、自助自立を促し、ミャンマー全域で展開できる包括的な取り組みです。
ミャンマー各地の地域社会を活性化しています。