インド、ニューデリー(2023年1月23日)—アジア開発銀行(ADB)とナバシェバ・フリーポート・ターミナル・プライベート・リミテッド(Nhava Sheva Freeport Terminal Private Limited: NSFTPL)は、効率的で透明性の高い、最先端の物流インフラの構築を通じ、インドの国際貿易を促進するため、マハーラーシュトラ州ナビムンバイに位置するジャワハルラール・ネルー港コンテナ・ターミナルの改修のための1億3,100万ドルの融資に署名した。
この融資パッケージは、ADBの通常資本財源からの6,140万ドルと、ADBが管理するアジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP)からの6,960万ドルで構成されている。この資金は、既存のバースとヤードを改修し、電動式岸壁クレーンなどのエネルギー効率の高い設備を追加で設置するために使われる。これらの改修により、コンテナターミナルの取扱い能力を引き上げるとともに、重要な国際航路を運航する船舶を誘致する。
NSFTPLはジェー・エム・バクシー・ポーツ・アンド・ロジスティクス・リミテッド(J M Baxi Ports and Logistics Limited: JMBPL)とシーエムエー・ターミナルズが共同出資する特別目的事業体である。
アショク・ラヴァサADB民間部門業務・官民連携担当副総裁は、「国際貿易とサプライチェーンはショックに脆弱であり、アジア・太平洋地域における新型コロナウイルスからの回復および持続的な繁栄のためには、各国の貿易能力の強化が極めて重要である」とした上で、「ADBによるこの長期的な金融支援により、世界レベルの巨大港の開発、またコンテナターミナル業務の効率化を進めることで、インドの経済競争力を高めることができる」と述べた。
NSFTPL役員およびJMBPLマネージングディレクターのDhruv Kotak氏は、「我々にとって過去最大規模となるこの融資契約に、本日ADBと調印できたことを嬉しく思うとともに、この取引を記録的な速さで円滑に完了させたADBのコミットメントと機敏な対応に感謝する」とした上で、「ナバシェバ・フリーポート・ターミナルは、インドにとって重要なターミナルであり、この取引は、インドの経済規模が2035年までに10兆ドルに達する可能性を示すものである。我々は、国際貿易を円滑なものとする取り組みにおいて、ADBからの支援を得られることを光栄に思うと同時に、このパートナーシップは、最高レベルのガバナンスと透明性、コンプライアンスの価値体系を我々が共有することの証明である」と述べた。
JMBPLは、船舶サービス、港湾、物流、テクノロジーの分野で106年の歴史を持つコングロマリットであるジェー・エム・バクシー・グループ(J M Baxi Group)の一員として、コンテナ・マルチカーゴ港湾ターミナル、コンテナ貨物ステーション、内陸型コンテナターミナルなどの港湾施設、プロジェクト貨物やバルク貨物のニッチ物流、沖合施設、船舶代理店など、幅広い物流サービスを提供している。2012年に設立されたシーエムエー・ターミナルズは、コンテナターミナルの開発、建設、取得および運営に従事している。同社は、陸・海・空の物流にかかるソリューションの世界的プレイヤーであるCMA CGM S.Aの子会社シーエムエー・ターミナルズ・ホールディング(CMA Terminals Holding)が100%所有している。
LEAPは、国際協力機構(JICA)からの15億ドルの出資を受け、2016年に設立された。ADBの開発途上加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターのインフラ事業の実施を支援しており、支援対象分野は二酸化炭素の排出削減、省エネルギー、誰にでも手の届く医療や教育、情報通信サービスの提供など多岐にわたる。
ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。