エジプト、シャルム・エル・シェイク(2022年11月14日)—アジア開発銀行(ADB)は本日、低炭素で強靭な経済への移行からの恩恵を平等に享受でき、いかなる個人、コミュニティ、地域も取り残されないようにするためのADBの取り組みの一環として、「公正な移行支援プラットフォーム」を立ち上げた。

この技術協力プラットフォームは、ADBの開発途上加盟国(DMC)が公正な移行を進める上での、戦略的な計画作りやその実施、また必要な資金確保のための能力構築を目的としており、それにより、あらゆる悪影響に対処し、ネットゼロへの移行から得られる利益を拡大させる。

ブルーノ・カラスコ(Bruno Carrasco)ADB持続的開発・気候変動局長は、「このプラットフォームは、アジア・太平洋地域のネットゼロ達成に向けた包摂的かつ公平な取り組みを後押しするとともに、気候変動対策がジェンダーや社会、および経済にもたらす成果の最大化を図るものである」とした上で、

「公正な移行支援プラットフォームは、我々の開発途上加盟国が、パリ協定の下での目標を達成するために、公正な移行の実践的なアプローチを実施することを支援するものである」 と述べた。

アジア・太平洋地域の温室効果ガス排出量は世界の半分以上を占めるとともに、この地域は気候変動の影響に対して極めて脆弱である。ネットゼロへの迅速かつ公正な移行が急務である。この地域では、ここ数十年の目覚ましい経済成長にもかかわらず、依然として世界の貧困層の多くが存在しており、特に女性は根強い不平等に直面し、脆弱な立場に置かれている。同時に一方で、この地域には、この移行に伴う機会を活かすためのイノベーションや人材、また強靭なコミュニティが存在している。

2019年、ADBを含む国際開発金融機関(MDBs)は、低炭素で気候変動に対して強靭な開発の実現に向けて、各国の経済変革を支援することを約束した。また、MDBsは、経済の多様化と女性および社会的に疎外された人々の参画を促進する公正な移行を支援することも約束した。MDBsは昨年、公正な移行に向けた支援に関する共通の理解を明確にし、MDBsの政策と活動の指針とするため、MDB公正な移行のためのハイレベル原則を策定した。

本日の公正な移行支援プラットフォームの発表は、ADBがこうしたハイレベルな原則を、その優先事項や与えられたマンデート、そして各加盟国・地域やパートナーのニーズに沿った具体的な支援にどのように反映させているかを示すものである。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に向け取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国・地域を含め68の加盟国・地域によって構成されている。

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